Douglas
- ※C-74グローブマスター Globemasterは、日本の降伏から3日後に初飛行した当時、世界最大の航空機だった。戦争の終結に伴う要件の変更により、大規模輸送機の必要性は低下し、軍の発注はキャンセルされた。軍用機の製造が中止されたことで、民間ヴァージョンの単価は受け入れがたいレヴェルにまで上昇し、旅客機ヴァージョンも同様にキャンセルされ、グローブマスターは(ダグラスにとって)採算の取れない短期生産に追い込まれた。何百人もの兵士を移動させる差し迫った必要性はなく、客室貨物ドアが地面からかなり離れた位置にあるグローブマスターは、軍のインフラ設備にとって効率的に扱うには大きすぎた。これに対応して、5機目のC-74がダグラスに返却され、機体の積載を容易にし、車輪付き車両も積載できるように改修された。1949年11月、改修されたこの機体が初飛行を行った。この新型機はYC-124という新たな名称を与えられ、XC-124は初号機として生産されず、Y評価試作機の名称が与えられた。C-124はC-74の主翼、エンジン、尾翼を継承し、新しい2階建て胴体を採用した

↑ダグラスC-124グローブマスターII
- ※米空軍はピストン・エンジンの時代が終焉を迎えたと認識し、主力輸送機3機種をターボプロップ動力へ移行させる試みを開始した。ダグラス社が開発したC-124Aは、試験機YC-124Bとして4基のプラット&ホイットニーYT34-P-1エンジンを搭載するよう改造された。この改造は極めて大規模なものだった。計画初期段階でダグラス社は、5500馬力のエンジン排気流が水平尾翼に衝突することを確認した。先行機DC-5と同様に、ターボプロップ機でも水平尾翼は常に清浄な気流中にあるよう傾斜した位置に設置する必要があった。しかしダグラス社技術陣にとって最大の課題は、新型動力装置の効率性への対応であった。新型ターボプロップ・エンジンは低高度域で異常な燃料消費を示し、非加圧機が快適運用可能な高度を大幅に超えた領域で初めて真価を発揮した。グローブマスターの巨大な貨物ドアを備えた膨大な胴体は加圧化を想定しておらず、新エンジンの潜在能力を実際に活用できるよう機体をアップグレードするには大規模な改造が必要となった。設計にとって不幸なことに、この改修と応急処置の過程で妥協点が多すぎたため、米空軍とダグラス社はプロセスを放棄し、代わりに白紙設計から再スタートすることを決定。C-124Bプロジェクトは中止となった。しかしYC-124Bの終焉は、同時にC-127の終焉でもあった。ターボプロップ式グローブマスターの長期計画は、単にターボプロップ輸送機を継続するだけでなく、KC-127グローブマスターIII Globemaster IIIとして空中給油機ヴァージョンを建造することでもあった。YC-124Bは試験機であったが、ターボプロップ版の量産機には新たにC-127の名称が割り当てられた。ダグラス社の航空機命名規則(大幅な変更時に機体番号を繰り上げる)に従えば、実戦配備時にはC-127グローブマスターIIIとなるはずだった。ダグラス社は新たなターボプロップ輸送機の設計を継続し、ボーイング社はKC-135で空中給油機の役割を担った
↑Image courtesy of Shipbucket.
Update 25/11/02